治療と仕事の両立支援~AYA世代が支援につながるためのパンフレット公開【2026最新】~

日本の労働現場では「治療と仕事の両立支援」が企業の持続可能性を左右する重要なテーマとなっています。2026年2月に厚生労働省から発表された「AYA世代(15~39歳)のがん患者向け制度ガイド」には、若年層のがん患者の方が利用できる制度や相談窓口が、パンフレットにまとめられています。

1. AYA世代の「がん両立支援」が企業に必要な理由

AYA世代(思春期・若年成人)は、就職やキャリア形成の重要な時期にあります。この世代の罹患(病気になること)は「稀なケース」と思われがちですが、実際には予期せぬタイミングで発生し、適切な支援がない場合、将来有望な人材の早期離職に直結します。企業には、全世代を対象とした「不測の事態でも働き続けられるインフラ」の整備が求められていますが、特にAYA世代のがん患者は実態調査において「経済的負担が大きく、療養にあたっての手当が必要である」といった結果が出ています。

2. 企業における3つの実務ポイント

  • 公的制度の社内周知(情報提供):傷病手当金や高額療養費制度など、経済的負担を軽減する支援制度に関する情報に従業員がいつでもアクセスできることが重要です。
  • 専門リソースとの連携: 自社で契約している産業保健の専門家(産業医・保健師など)がいない場合、全国の労災病院や治療就労両立支援センター、産業保健総合支援センター等が窓口を設置して相談対応を行っています。
  • 柔軟な働き方のできる環境整備: 時間単位の有給休暇、テレワーク、時差出勤など、治療(通院や副作用)に合わせた柔軟な働き方の導入は、AYA世代のみならず全ての従業員のエンゲージメントを高めます。

治療と仕事の両立支援の本質は、単なる「配慮」ではなく、「人的資本の最大化」にあります。若年層から高年齢層まで、病気や介護を抱えても能力を発揮できる職場は、結果として組織全体を強化します。本記事や下記の参考サイトが、社内の相談体制や両立支援規程を見直す際の一助になれば幸いです。

参考)

・厚生労働省:報道発表「AYA世代のがん患者向けパンフレット作成について」 

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70021.html

・厚生労働省:治療と仕事の両立について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html